openness to new ideas 2003 7 10

 電子メールというと、字ばかりのメールを連想しますが、
最近は違います。
 HTMLメールというものがあります。
カラフルで絵入りの電子メールです。
たとえば、楽天市場の電子メールを開くと、
まるで、新聞の広告を広げたようなカラフルな電子メールが開きます。
たとえば、きれいな服の写真や美味しそうなカニの写真が開きます。
魚介類の写真が多い電子メールを見ると、
つい買いたくなってしまいます。
こういう絵や写真付きの電子メールをHTMLメールと言います。
 今でこそ、HTMLメールはメジャーになりましたが、
今から、3、4年ぐらい前は、このHTMLメールは、非難の的になりました。
なぜ、HTMLメールが非難の対象となったか。
実は、このHTMLメールというものは、ブロードバンドでないと、
困るのです。高速大容量通信の状態で、HTMLメールが生きるのです。
 3、4年ぐらい前は、低速インターネットでしたから、
HTMLメールが送られてくると、迷惑だったのです。
高速大容量通信でないと、HTMLメールは困るのです。
 このHTMLメールを考えたマイクロソフトは、先見の明があったのですが、
その当時は、低速インターネットでしたから、
HTMLメールは、みんなが迷惑したのです。
 今は、ブロードバンドという高速大容量通信が普通になりましたので、
HTMLメールでも、問題がなくなったのです。
ですから、マイクロソフトは、3、4年ぐらい早すぎたのです。
 それから、同じく、マイクロソフトは、3、4年ぐらい前に、
インターネットの閲覧ソフトに、プッシュ技術を採用しました。
これも、その当時は、非難の的になりました。
 プッシュ技術というのは、パソコンのデスクトップの画面に、
小さな窓を開いておき、
その窓にニュースを登録すると、
いちいち、こちらからアクセスしなくても、
その窓のニュースが、時々刻々と変る技術でした。
 普通は、ニュースを見たいと思ったら、
ニュースのサイトにアクセスしますが、
このプッシュ技術が採用された窓を、デスクトップの画面に、
開いておけば、勝手に、どんどんニュースが最新のものに更新されるのです。
 今でこそ、非常に便利だと思うでしょうが、
あの当時は、非難の対象になりました。
このプッシュ技術は、インターネットが常時接続の状態でないと、
意味がないのです。
あの当時は、低速インターネットで、
必要に応じて、インターネットに接続したのです。
 今は、インターネットに常時接続は、
ブロードバンド環境では、当たり前になりました。
 しかし、3、4年前は、インターネットに常時接続するというのは、
夢の技術でした。
あの当時は、インターネットに接続しては、
必要なホームページを見て、すぐ接続回線を切るという状態でした。
 今のようにブロードバンドで、24時間、常時接続しているというのは、
3、4年前は、夢のまた夢でした。
ブロードバンドというのは、24時間、常時接続で、
なおかつ、高速大容量通信のことです。
 要するに、マイクロソフトは、3、4年早すぎたのです。
マイクロソフトという会社は、MS-DOSを作っていた頃から、
よく知っていますが、せっかちな会社なのです。
 昔、私は、Windows1.0を使ってみて、あきれました。
Windowsは、大きなメモリとハードディスクが必要なのに、
あの当時は、フロッピーディスクが主流だったのです。
2台のフロッピーディスク駆動装置が、ガリガリと、うなるだけで、
Windows1.0は、全然、前に進みませんでした。
しかし、失敗を恐れず、常に新しいことに挑戦するという姿勢に共感したのです。
 あの当時のビル・ゲイツ氏は、青年でした。
最近は、世界一の金持ちになったせいか、
すっかり守りの姿勢になってしまいました。
失敗を恐れず、常に新しい技術に挑戦する。
そういう姿勢がなくなってしまいました。